それぞれの春
写真部カメラマンの Aです。
大学を卒業してから27年経った2月の下旬、大阪の大学時代にお世話になった先生の退任パーティーの案内が届きました。
当時、まだ助教授だった先生が初めてゼミを持つことになり、私はその1期生となりました。同期は私を含め3人だけでしたが、一緒に撮影に出かけたり、スキーに行ったりと仲が良く、結婚式にも先生共々招待しました。
一緒に参加しようと、まず関東在住の同期に連絡しました。
彼とは東京で仕事をしていた頃はよく飲んだりしていたのですが、最近はご無沙汰していました。ところが彼は「忙しくて行けない」とのこと。懐かしい声で理由を聞かされた時、私はここ何年かで一番の衝撃を与えられました。
理由は「市議会議員選挙に立候補した。パーティーは投票日の2週間前で準備が忙しい」というものでした。
私の知っている彼は、確か写真関係の仕事をしていたはず、とても政治家になるとは想像もしていなかったのです。しかし話を聞くと、ここ何年かは国会議員の秘書をしたりして勉強をし、政党から公認をもらったということです。定数を超えた立候補者がおり、新人の彼には厳しい戦いになると思いますが、情熱では負けないと感じ、俄然応援したくなりました。これを書いている時点ではまだ結果が出ていませんが、彼に必ず春が来ることを祈っています。
もう一人の関西在住の同期と参加する約束をし、3月下旬の当日を迎えました。
すっかり変わってしまった天王寺駅で迷ってしまい、パーティー開始ギリギリに到着した私を、同期は昔と変わらない笑顔で待っていてくれました。200人程集まった関係者との応対で先生とは挨拶程度しか出来ませんでしたが、とても素敵なパーティーでした。
その後、同期と2人で通天閣を仰ぎ見る串カツ屋で「二度づけ禁止やで!」とか「キャベツで追いソースすんねん!」とか教えられながら語り合いました。
趣味のパラグライダーで奥さんと知り合ったこと、部下が20人もいること、最近痛風でビールを控えていたことなど、シャイな彼はお酒が進むに連れて話してくれました。
ツインの部屋に一緒に宿泊し、翌朝、あべのハルカスに登って、景色よりエレベーターの速さに感動し、すっかり様変わりした梅田を案内してもらい、彼と大阪に心を温められ、帰路につきました。
私はというと、長男が志望していた高校に合格し、頑張った息子とずっと受験勉強を支えてくれた妻をはじめ、いろんな人に感謝、感謝の春を迎えています。