庭に棲む小さなお客様
長野本社 クリエイティブ局ディレクターの K. N.です。
長野県の北部に暮らしている我が家の庭では、一年の内で最も寒い時期である大寒のこの時期、例年だと花壇が隠れるくらいの雪が残っているのが常なのですが、今年の冬は温暖化が進んだ影響なのか、やたらと枯枝や乾いた土が目につく寒々しい庭となっています。
あるはずの雪も無く、この時期に花壇の石の間に挟まった枯葉などを拾い集めていること自体に少し違和感を感じたりもします。
家の花壇は、庭を掘りおこして出てきた適当なサイズの石を単に積み囲んで作っているのですが、この適当さ加減が良いのか悪いのか、時折その石組みの隙間で越冬している小さな生き物が棲んでいたりします。それはアマガエル。
アマガエルの冬眠について調べてみると、生息している場所によって時期は異なるようですが、基準としては最高気温が10℃以下になったタイミングで冬眠に入るらしく、この気候の変化に伴って、冬眠にしっかり入れているのか少し心配になったりもしています。また、アマガエルが冬眠する時には肝臓の中でブドウ糖が作られ、内臓がこおりつくのを防ぐ働きをするということも分かり、改めてこの小さな生物のみごとな環境への適応能力にも驚かされます。
毎年、近くの田んぼ、もしくは小川(?)から6月末くらいにどこからともなく、遠路はるばる中住戸の我が家の庭(中住戸だから適度な日影があり、暑すぎないのが逆に良いのか?)に出没するカエルさん。夏場は小さな無農薬の菜園で発生する虫たちを一緒に退治してくれているものと、自分では勝手に思い込んでいますが、虫を捕食し終わって寝ているそんな姿に出くわすと、なんだかありがたい感じも湧いてきます。秋頃には時々「モズのはやにえ」にも遭遇することもあり、自然の厳しい現実も教えられたりもしますが......。
季節を通じて自然の営みを身近に感じさせてくれるこの小動物達は、気候変動等で一番影響を受けやすい生き物なのかもしれません。これからの環境の変化にどんな行動を見せてくれるのか関心をもって見守りたいと思います。