放置してゴメンね
女子大生のAちゃんと初めて会ったのは、去年の秋。彼女が在籍する音大のコンサートでした。彼女のお父さんもお母さんも昔からの知り合いです。お父さんは会社員をしながら趣味でヴァイオリンを弾いたり、近所の人に教えたりしています。お母さんは私が学生時代にお世話になったピアノの先生で、今も生徒さんを抱えています。そんな音楽一家で育ったAちゃんは、小さい頃からピアノとヴァイオリンを習ってきました。そして現在はヴァイオリンを専攻する音大生として日々研鑽しています。
彼女は普段、オーケストラや合奏、ソロなどでヴァイオリンを弾く傍らヴィオラも弾いています。でも自分で所持している楽器はヴァイオリンだけで、ヴィオラを弾くときには学校から楽器を借りる状況でした。そんな中、Aちゃんのお母さんから、ヴィオラを買うので年末年始に上京するという連絡が来ました。私も昔、大学オーケストラやアマチュアオーケストラ、弦楽四重奏などを経験していたこともあって、楽器選びに付き合ってほしいと言われ、3人で楽器を見に行くことになりました。
音大の先生から紹介された個人営業の楽器店を中心にヴィオラ探しが始まりました。お母さんとAちゃんは、多くの店舗に行ったようです。そのうちの数店舗に私もお邪魔しました。楽器店には、単純に楽器を販売するだけの店舗もあれば、楽器の複雑な調整までできる店舗もあるなど、そのスタイルはさまざまです。ただ、楽器選びに付き合ったものの、人の楽器となると、「絶対にこの楽器がいいと思う」などと強くは言えません。「この音が好きだ」とか「これ弾きにくそうだね」ぐらいの感想程度しか言えませんでした。最終的に購入したのは、個人経営の楽器店ではなく、有名なヴァイオリニストも通うという大きな楽器店でした。
楽器店に行く数日前にも3人でクラシックのコンサートに行くなど、音楽との触れ合いが増えた年始でした。そんなことが影響したのか、クローゼットにしまい込んだままの自分の楽器を見てみようと思い、久しぶりに楽器ケースから出しました。楽器の状態は以前とは変わらず悪くはなかったです。何年も放置しているので良くはないですけど。弾いてあげないとダメよねーと思いながら、久しぶりに楽器の練習を再開しようかと考えています。
東京支社A