あまくはなかった甘いサツマイモ
こんにちは。長野本社のK.N.です。
先月の10月下旬、我が家の庭先でサツマイモを収穫するという貴重な体験をしました。
大切に育てたサツマイモを収穫するときの喜びは何ものにも代えがたいものがあり、
自分にとって癒やしの時間となりました。
実はサツマイモ栽培自体が初めての体験だったのですが、栽培の支えとなってくれたのは、
経験者からのアドバイスや、ネットからの先人達の栽培の知恵や知識に助けられたことに依ります。
無事に収穫の日を迎えられたことに感謝、感謝です。
春の末、チューリップが咲き終わり球根掘りを済ませた花壇を使って栽培をしてみることにしました。
サツマイモは、日光がよく当たり、通気性に富んだ乾燥した土を好むとのこと、
また痩せた土地が向いているとの条件等をあわせると、この花壇がちょうどいいのではと考え、
まずは土作りと排水に気をつけたウネ作りから取り組みました。
今年の5月中旬頃に苗の植え付けを行いましたが、
この植え付けの際にもやることが多いことを実感させられました。
自分で種イモから苗を作る方法にも挑戦してみたかったのですが、
サツマイモ栽培で近年問題となっている「基腐病」も心配なので、
ここはひとつ専門家の育てた丈夫なものをと苗探しにいざ種苗店へと向かいました。
ここでのポイントは苗を選ぶための基準となります。
良い苗の基準は、茎が太くて、節と節の間が間のびしておらず、
葉色が濃くて厚みのあるものと言われていますが、
実際には種苗店で購入するタイミングが遅れたせいなのか、
売れ残りの中からそれにふさわしい苗と出合えることは難しく、
4月下旬頃には苗がすでに出回っていることをこの時初めて知ることとなりました・・・。
次回からは早めにソワソワして探してみようかと思います。
購入した萎びた苗での定着率を上げるため、水を張ったバケツにしばらく浸けて日陰に置き、
植え付ける前に発根させるという一手間が大事であることを知り、
おかげで10本の苗のうち9本を定着させることができました。
夏から秋にかけてのサツマイモ栽培において、もっとも重要な作業の1つである
「ツル返し」という作業を学べたことも自分としての大きな収穫です。
ツル返しとは、伸びたツルを持ち上げてひっくり返し、
ツルの節から生じた根を切る作業のことを言うそうです。
節から生じた根を放置してそのままにしておくと、
たくさんのツルの根から地上部に栄養が分散してしまい、株元のイモが大きくならないとのこと。
ツルが1mほどに伸びた頃から開始して、定期的に観察してはこの作業を繰り返し行いました。
栽培期間が5ヶ月ほど経ち、霜が降りる前の時期にいよいよ収穫期を迎え、
まずはツルを刈ってから芋の掘り起こし作業となります。
傷を付けないよう、ただひたすら目の前のことに夢中になれた事がとても快感で、
達成感を得ることができました。
刈った後のツルは皮をむいて金平にして食しましたが、
シャキシャキしてフキのような筋は感じず、なかなかの美味でした。
収穫直後のサツマイモの保存方法では、美味しさを左右する重要な目的があることも知りました。
サツマイモはそのほとんどがデンプンであるため、
掘りたてを食してもあまり甘くないので収穫後3〜4週間保存することによって、
デンプンが果糖などの糖類に変化して甘くなるとのこと。
籾殻を敷き詰めたダンボールの中で保存する方法等も
これもまた会社の経験者から教えていただきました。
このたった一つのサツマイモ栽培を通してだけでも、とにかく動くことだらけ、学ぶことだらけ、
美味しいものを作るのにはそう甘くはありませんでした。
普段当たり前のように提供されている野菜がどうやって作られるのか、
どれだけの苦労があるのかを自分で体験することで、
農業に携わる方々の努力や工夫が美味さに重なっていることに気付かせてもらいました。