好きになるきっかけなんて単純
AICSのH.A.です。秋はとっくに過ぎ去り冬の足音が聞こえてきていますが、紅葉や食・芸術など、まだもう少し満喫したいと思うこの頃です。
"昔は興味も関心もなかったのに、大人になってから好きになったもの"って、きっとみなさんにもあるんじゃないでしょうか。私の場合、ここ半年~1年くらいで、"映画館で映画を見ること"が好きになりました。
子どもの頃はよく母親に、アニメ作品を見たいとねだっては映画館に連れて行ってもらいましたが、そのうち興味も薄れ、大学生になり自由に使えるお金を手にしても、特に映画への興味が増すこともないまま社会人になりました。
ライブビューイングを見るために映画館に行ったり、好きなアーティストが主題歌をやっているから映画を見に行ったりなんてことは何度かありましたが、純粋に邦画や洋画を見るために映画館へ行くことはなく、映画そのものや映画館という場所は、自分の生活には縁遠いもののように感じていました。
なにより、よっぽどの好奇心がなければ、何時間も同じ席でじっと見続けることに堪え性がなかったのが、足を遠のかせていた理由です。
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転機が訪れたのは、去年10月に公開された「DUNE デューン 砂の惑星」をIMAXで見たことだったろうなと、振り返って思います。これを機に、スクリーンで映像を楽しみ、体全体で音を味わい、作品に没入する楽しさを体感します。
作品を知るきっかけは、私の好きなアーティストが1984年公開の「デューン/砂の惑星」が好きだったことで、自身の楽曲にも影響を与えたというところから興味を抱き、その時たまたま2021年版で映画化されました。
作品は2時間半の大作で話も複雑。まともに洋画を見るのが初めてで、単なる興味だけで見続けられるのかと不安がありましたが、上映前のIMAXの劇場を見た途端、それは一気に払拭されました。こんなでっかいスクリーンで映画が見られるの!?という驚きと興奮は、ライブで会場についたときの高揚感に似ていると感じました。
実際に上映されると、群衆が走る時の地鳴りのような音や飛行機が飛び去る時の轟音、広大な砂漠のしんとした空気などがリアルに感じられ、ただただ圧倒されっぱなし。
IMAXだからこそ得られた衝撃的な体験によって、私は映画を映画館で見ることや、もっと興味のある面白い作品をどんどん見たい!という好奇心をフルに刺激されました。2X年生きてきて初めて、映画の魅力に気づいたんです。
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その後は、新作映画の情報を調べたり、配信サービスで昔の映画を見たりと、自分の生活に"映画"が当たり前にあるようになりました。
そして先日、長野市にある国内最古級の映画館「長野松竹相生座・長野ロキシー」へ初めて足を運びました。前述したIMAXのある映画館とは打って変わって、昔ながらの味がある映画館です。
外にある窓口でチケットを買い、上映中の映画の音漏れを聴きながら上映時間を待ちました。シアター内は普通の映画館よりもずっと小さな空間で、なんだか慣れない雰囲気を感じながら映画を鑑賞。このときは"スワンソング"を見ました。
見たかった作品を見終わり最高な気分で帰りましたが、何よりあの小さなシアターの醸し出す雰囲気の中で見た体験も相まって、最高な気分にさせてくれたように感じました。
昔はあんなに映画を遠ざけていたのに...。きっかけなんて単純で、いつ自分が何を好きになるかもなんてわからないものですね。
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長野松竹相生座・長野ロキシーのある権堂アーケードも、非常に味のある商店街です。長野市に住んでだいぶ経っているのですが、来たのは初めて。車で遠方へ出かけることが多いので、これを機に近場を探索しようと思いました。
映画の帰りにはアーケードにあるベトナム料理店で、牛肉のフォーとベトナムのサンドイッチ・バインミーを堪能。店がある部分だけ、まるでベトナムに来たかのような錯覚に陥るほど空間が仕上がっていたのがグッときました。味も雰囲気もおすすめのお店です。昔からある看板もたくさんあって、看板文字が大好きな自分にはたまらない通りでした。
週末は"LAMB/ラム"を見に行く予定です。ほかにも見たい映画がいくつもあるので、楽しみが尽きません。